A Kumiko lamp created using Japanese cedar in order to bring healing and serenity to the world as the novel coronavirus spread rapidly.
早川鉄兵さんとの切り絵行灯をテレビで知って、大阪からわざわざお越しいただいたお客様。当初は切り絵行灯を求めて来られましたが、これまでに製作した行灯をご覧になると、格子組の行灯を製作してほしいということになった。
素材は、国産杉の赤身を使用。腐りにくく、変色しにくい材料で、硬く細かい細工に向く強度もある。そして、何より木の温かみを感じられる。この段階で気をつけたのは、狂いの少ない材料を選定すること。そのために、同じ丸太でとれた材料を使うことにした。
形づくりは、スッキリ細い枠でつくってほしいという要望に応えて、2ミリのアクリルを入れてミゾ、ホゾが施せるギリギリのサイズで調整した。さらに、格子組は枠の外に出し、枠の細さを満たしながら行灯に膨らみを持たせるデザインにした。ここでひと工夫、飾り部分だけ取り替え可能な構造にし、気分によって様々なデザインを楽しめるようにした。
枠を細くする場合、枠同士をつなぎ合わす仕口の加工は繊細で、高い加工技術が求められる。そのため、細心の注意を払いながら、1つ1つ丁寧に加工し完成させた。
行灯/組子
建具作りの技術を生かし、国産の杉の赤身のみを使用し暖かみのある柔らかな明かりを演出するとともに、金物を使わず、ホゾやミゾを0.1mm単位で精巧に加工し組み上げました。側面二面は、縦に細かい格子の組子を配したデザインにし、あとの二面は組子無しのシンプルなデザインで2通りの灯りをお楽しみいただけます。